整体の領収書で
なぜか医療控除ができてしまう
不具合についてのお話

最終更新日:2021/1/29

毎年2月と3月は確定申告の時期です。

病院などをよく利用される人はよくご存じだと思いますが、確定申告には「医療控除」と呼ばれる税金控除の項目があります。

この医療控除についてざっくりと説明しますと、「1年間の医療費の合計金額が 10 万円を超えている人」は、この制度を活用することで翌年度の税金がお安くなったりします。

「それじゃあ整体の領収書はどうなんだ?」というお話になると思うのですが、日本の税法上では、整体の領収書では医療控除はできません。

なぜかというと、整体師は国家資格ではありませんし、行政的な分類上では、そもそも整体は医療行為ではないからです。

しかし現実というのは奇妙なものでして、毎年なぜか、当院で発行している領収書は医療控除に通ってしまっています。

法律的には無理

再度確認しておきますが、日本の税法上では、整体の領収書は医療控除には使えません。完全に対象外です。

しかし現実的には、整体の領収書は普通に医療控除の申請に通ってしまっています。私が現在確認している限り、その通過率はなんと驚異の 100 %です。

ではなぜこんなよく分からない事態になっているのかというと、おそらくですが、確定申告時期の税務署さんの対応に問題があるからだと思います。

税務署の常駐の職員さんが
少なすぎる?

直感的には信じられないお話なのですが、日本という国は、データ上は先進国の中でも公務員さんの比率が圧倒的に少ない国です。

「雇用者全体に占める一般政府雇用者比率の国際比較」というデータを見ると、日本の公務員さんの比率は断トツの最下位となっています(2015年時のデータ)。

なにが言いたいのかというと、おそらく税務署に常駐している職員さんの数では、「確定申告シーズンのお客さん(?)の数をさばききれないのではないか?」ということです。

なので確定申告シーズンでは、明らかに税務署は期間限定で職員さんを増員して対応していますよね。でも、それでもまだ人員が足りていない。もしくは、人員の教育が一定以上の水準に達してはいないのかもしれません。

なのでおそらくですが、この期間限定の職員さんたちが大急ぎで大量の書類チェックしていることが原因で、本来は通過しないはずの整体の領収書が医療控除の対象として通過してしまっているのではないかな、と私は個人的に考えています。

そしてもし本当にそうだったとしたら、これは「だれだれが悪い」とか「だれだれの責任だ」とかいう個人の問題ではなくて、このシステム全体の問題だと言えるんじゃないかなと思います。

そもそも税法が複雑すぎる。職員さんの数が少なすぎる。臨時職員さんの教育体制に不備がある。などなどですね。

領収書を出したくない
整体院もある

話は変わりますが、ウチのような個人でやっている小さな整体院のなかには、「領収書はできるだけ出したくない」というお店もあったりします。

なぜかというとこれはかなりシンプルな理由で、「税務署に申告する年間の収入をごまかしたいから」です(笑)。つまり脱税ですね。ひどい話です。

法人化していない事業の確定申告には白色と青色の2パターンがあるのですが、白色申告にいたっては、なんと驚きの単式簿記です。作る帳簿の種類も簡易式のものだけでOK。なんというか、まるで脱税を推奨しているかのような申告制度だなと思ってしまいます。

ちなみにもっと残念なパターンでは、そもそも税務署に営業開始届を出していないので、「出したくても領収書が出せない」というお店もあったりします(領収書を発行すると税務署にお店の存在がバレる)。

にわかには信じがたいお話かもしれませんが、こういうお店、いまだに探せば実際にあるんですよ。たしかに既存のお客さんからの紹介だけで新規のお客さんを獲得できるのであればこのような形態でもやっていけるのかもしれません。いろんな意味ですごいですね。

なのでもし興味があれば、今度ごひいきの整体院に行ったときに、「今回の分の領収書ください」みたいな感じのことを言ってみてください。

もしそのお店が領収書を出すのを躊躇していたり、「領収書は出せません」みたいなことを言ってくるようであれば、そのお店は毎年の確定申告で収入をごまかしている可能性がかなり高いです(笑)。

整体院でも領収書は
もらっておいたほうがいい

完全に話が脱線してしまいました。申し訳ありません。

まあそんなわけなので、もしあなたが毎年確定申告をしているのであれば、とりあえずは整体の領収書は毎回もらっておいたほうがいいかもしれません。

もし年間の医療費が 10 万円を超えているのであれば医療控除ができますので、そこに整体の金額を上乗せしていれば、もしかしたらその書類をチェックする税務署の職員さんの采配次第では、それも医療控除の対象にしてくれるかもしれません。

一応言っておきますが、私はなにもあなたに不正行為をお勧めしているわけではありません。

というか、税務署の職員さんがちゃんと視認をしてその申請を通しちゃってるわけですから、はっきり言ってこれは不正でもなんでもありません。

だって、その権限を持った人がちゃんと確認してOKを出しちゃってるんですから。その結論に対してとやかく言える権限は、たぶん私にもあなたにもないと思います。

申請してダメだった場合の
ペナルティは?

ちなみに、もし税務署のチェックで「これは医療行為じゃないからダメです」と整体の領収書が弾かれてしまった場合の申請者サイドのペナルティですが、これは実質ありません。

「ああ、そうなんですか。知りませんでした。すみません。」と素直に謝っておけばそれで終了です。なんのペナルティもありません。

ほんと、なんというか、こんなんでいいんでしょうかね(笑)。

個人的には書類はもうちょっとちゃんとチェックしたほうがいいんじゃないかなとは思うのですが、そもそも税金関係の法律や書類が複雑すぎるので、まずはそこを何とかしたほうがいいんじゃないかな、とは思います。

ほんとにね、めんどくさすぎるんですよね。確定申告の書類作成って。

ウチももっと売上が多かったら、税理士さんにお金を払って、「この作業はもう完全に丸投げしたいなあ」とはいつも思っています。

結論
整体の領収書は毎回もらっておこう

それでは、今回のお話の結論です。

もしあなたが毎年確定申告で医療控除をしているのであれば、とりあえず、整体の領収書は毎回もらっておいたほうがいいのかもしれません。もちろん、法律要件を満たしたレシートでもOKです。

ただ、2月とか3月にいきなりお店に電話をして「去年の分の領収書をぜんぶ発行してください」みたいな鬼畜な要求をするのは、できるだけやめてあげてください。

QRコード決済などで決済履歴が一目瞭然な場合はべつですが、現金決済オンリーのお店の場合は、1年分の領収書控えの束や帳簿等の記録をすべて手作業で見返すことになってしまいます。そして実際、これはかなり手間と時間のかかる作業です。

なので領収書をもらう場合は、できるだけお会計の際に毎回その場で発行してもらってください。そうしていただくと、お店側の手間がぐんと少なくなって大変助かります。

今回のお話のまとめ

それでは最後に、今回のお話のまとめをさせていただきます。

  • 年間10万円以上医療費を使っている人は「医療控除」が使える。
  • 医療控除をすると翌年度の税金がお安くなる可能性がある。
  • 税法上は整体の領収書は医療控除には使えない。
  • でも現実にはなぜか整体の領収書が医療控除の審査を通過することが多い。
  • なので整体の領収書は一応毎回もらっておいたほうがいいのかもしれない。
  • でも領収書の一括発行の要求は手間がものすごいので本当に勘弁してください。

以上です。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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