体の反応や感覚は重要だが
絶対的な指標ではない

最終更新日:2021/1/31

人間の体(脳?)にはさまざまな「原始的な欲求や反応や感覚」というものが生まれつき組み込まれています。

たとえば食欲。これは物心ついてからお父さんやお母さんから教わって習得する後天的な感覚ではありません。生まれつき備わっている先天的な感覚です。

食欲の他にも、睡眠欲であったり便意であったり痛覚逃避行動であったりと、体には生まれつきコントロール不能なさまざまな反応や感覚が遺伝子レベルで組み込まれています。

これらの反応や感覚は、我々が自然界を生き抜いていくために獲得してきた機能だと言われています。つまりこれらの機能は、人類の長い歴史のなかで必要であると判断されてきた機能だということです。

では、これら自分の意思ではコントロール不能な反応や感覚に従って生きていれば、それはイコール「健康的な生活や生き方」になるのでしょうか?

おそらくですが、答えは「ノー」です。

なぜ人は太るのか?

現代社会における健康面での大きな問題のひとつに、「肥満」というものがあります。

人がなぜ肥満になるのかというと、単純な話、食べ過ぎているからです。運動量が足りてないという可能性もありますが、いくら大量に運動をしていたとしても、食べ過ぎていればほぼほぼ間違いなく太ります。

ではなぜ人は食べ過ぎてしまうのでしょうか? その理由は、まず間違いなく自分の食欲に振り回されているからでしょう。つまり、食欲という不可避の反応に素直に従い続けた結果、明らかに健康を害するに至ってしまった、というわけです。

なぜ鼻の穴が
両方同時に詰まるのか?

個人的なお話ですが、私の鼻はたまに、両方の穴が同時に閉塞します。

当たり前ですが、人間は呼吸をしなければ十数分後には死にます。人間は鼻と口から呼吸をすることが可能ですが、設計思想上は、口は息をするために作られたパーツではありません。

気道内の異物を効率よく排出するためなどの理由で口と気道がつながっているので、たまたま口からも呼吸ができるというだけです。

つまり、人間は基本的には鼻で呼吸をするように設計されています。なのに私の体は、ときどき両方の鼻の穴を完全に塞いできます。

この体の反応に素直に従っていたら、私は酸欠で死んでしまいます。なので、この体の反応はとても体の健康を維持するための反応だとは言えません。

なぜ筋トレは
疲れるしめんどくさいのか?

現在の医学的な見解では、全身の主な筋肉がある程度ムキムキな状態とガリガリの状態とを比較したら、明らかに前者のほうが健康上のメリットがあるという結論が出ています。

つまり、我々の体としては、毎日から週に3回くらいの頻度でトレーニングをして、全身の主要な筋肉をある程度鍛えておいたほうが、健康上はいろいろと都合がいいわけです。

しかし現実には、たぶん日本人の半数以上の人は、週に1回すらも筋トレをしていません。そして、なぜ筋トレをしないのかというと、その理由はおそらく、「疲れる」し「めんどくさい」し「楽しくない」からです。

つまり、我々は体の出してくる欲求や感覚に忠実に従った結果、「筋トレをしない」という間違った決断を下してしまっているわけです。

体の反応や感覚は
絶対的な指標ではない

このような感じで見ていくと、我々の体が毎日のように発してくる回避不可能な反応や感覚は、決して「行動の絶対的な指標にはなりえない」ということが分かってきます。

たしかに、食欲を無視し続けていればいずれは餓死してしまうでしょう。痛みから逃れる反射行動を無理矢理抑え込んでいたら、レベル4の熱傷を皮膚におってしまう可能性があるのも事実です。

しかし、体が発してくる不随意の要求や反応や感覚に完全に身を任せていると、中長期的な視点では、明らかに体の健康は害されるとみていいのではないでしょうか。

遺伝子レベルで組み込まれた体の反応や欲求は、あくまでも我々の考えや行動に影響を与える指標のひとつでしかありません。そしてその指標は、まず間違いなく絶対的なものではありません。

そのような勝手気ままな体の反応や感覚にいつも素直に従っていると、いずれは身を亡ぼすことになってしまうのかもしれませんね。

結論
反応や感覚はあくまでも指標のひとつ

それでは、今回のお話の結論です。

体が発してくる回避不能な欲求や反応や感覚は、あくまでも我々の考えや行動に影響を与える指標のひとつにしかすぎません。上記の例を見ても、これら体の反応や感覚が「絶対的な指標」になりえないことは明白だと思います。

「体がいま欲しているものを食べていれば栄養的にはなんの問題もない」みたいなお話をお客さんからお聞きすることがたまにあるのですが、この仮説はおそらく一部正解でもあり、そして一部間違いでもあります。

自分の体の声を聴きつつ、さらに客観的な視点で科学や医学的な見解も取り入れてみる。このような柔軟な姿勢をもっていると、日々のライフワークの中での健康上の間違いを選択する可能性は、比較的少なくなるのではないかな、と思います。

今回のお話のまとめ

それでは最後に、今回のお話のまとめをさせていただきます。

  • 人間の体には食欲や痛覚逃避行動などの制御不能な反応や感覚がそなわっている。
  • これら不随意の反応や感覚は人間が生きるために獲得してきたシステムである。
  • しかしこれらの反応や感覚に常に素直に従っていると健康を害する恐れがある。
  • なので、体の欲求や反応や感覚は行動の「絶対的な指標」とするべきではない。

以上です。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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